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「限られた資源の中で工夫し、自分たちのものにする。」それが、日本古来から築き上げられ現在に尚続いている。
京の料理人は、乏しい素材を少しでも美味しくする為に工夫に工夫を重ね、京ならではのものを造り出した。この京料理の伝統に日本文化の性格が見られる。
「食は人を造る。」そこで日本の食生活が、日本人の国民性を形造るのに大きな役割を果たしている。
日本では魚中心の食生活が長い歴史を通じてとられてきた。魚は新鮮なものが美味しい。又、四面海であるから、常に新鮮な魚が比較的簡単に手に入る。このような環境は性格を形成するのに大きな力があったと考えられる。
しかし、食事を楽しむ変化の多い味が、日本料理には少ない。味覚が単一化してきたにもかかわらず、京料理に育まれてきた京都の人は、味覚の幅が広いともいう。それは、味覚による性格形成にまで影響し、一般の日本人が「価値の多様性を許すことができない性分。」の中で「古いものを残すが、新しいものを取り入れる。」という京都の特徴にみられるような価値の多様化への対応と、多様な価値の創造に長けた日本人が造られてきた。もしこれが、単純に割り切り易い性格であるなら、古い物を壊し新しいものを取り入れるであろう。
古いものを残しながら、新しいものを取り入れ造りあげていく。これは京料理に育まれた京の伝統的精神であり、又、京の文化の精神そのものである。
日本料理が、アミノ酸(醤油)単一味或いはその祖先とみられる味噌味で調理される事になったが、京料理の伝統として素材の味を生かすべく、淡味で味覚の単一化を避けてきたと言える。これも京料理の特別な性格である。 |